2009年7月22日水曜日

ゴアテックス®の生地を仕入れるには?

 ゴアテックス®をご存じでしょうか。

ゴアテックス (Gore-Tex) は、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が製造販売する防水透湿性素材の商標名。


 身近なところだと、例えばアウトドア用品ブランドのモンベルのアウターなどに使われていまして、軽量で丈夫、そして高い防水性能を備えた、まさにアウトドアフィールドにうってつけの、高性能ナイロンの代表格です。

 私の取引先の中国工場(縫製がメイン)の一つが、ゴアテックスを使ったジャケットを商品化したいので、どうやったらこのハイテク生地を調達できるのか調べての欲しい、との依頼を受けました。そこで、早速ジャパンゴアテックスに電話をして聞いてみたのですが・・・。



 結論から言うと、限りなく不可能に近そうです。その理由とは、


◆ゴアテックスは、ゴアテックスの工場でのみ製品の生産を許可している


です。つまり、生地だけを販売する事はない、ということですね。ゴアテックスは特殊な加工が施してあるため、通常の縫製作業においても、特殊な処理を行う必要があるらしいのですが、一番の理由は品質管理でしょうね。ヘタなところで作らせて製品トラブルなど起こしたら、ブランドの価値が傷つきかねません。あるいは、「特殊な処理」というが公開できないのかもしれません。

 もう少し食い下がってみて、ではそのゴアテックス認定工場になるにはどうしたらよいか、とも聞いたのですが、これまた無理なのだそうです。既存工場をフル回転させる事に重きを置くため、これ以上の工場拡張は考えていないとのことでして、これはつまり生産コントロールを徹底させたいということなのでしょう。さすがにあきらめました。

 いずれにせよ、高いブランド価値を持つ製品ならではの対応でした。そしてそれを維持するのは並大抵の事ではない、ということを垣間見た気分です。

 ちなみに、ゴアテックス社の製品の中には、ちゃんと一般向けに販売している生地もあるようですよ。

Nobu

2009年7月14日火曜日

なぜ投資のプロはサルに負けるのか

◆投資ということに対する結論。
・十分に資金の無い人はやらない。十分に資金のある人は、イヤでも考えなくてはならない。
・投資に回す資金が数百万なければ、まずそいつを稼ぐ事だ。
・住宅ローンがある人は、投資なんかしている場合じゃない。早く借金返せ。

◆それでもやりたい人は
・株の銘柄をどうこう、よりも、どの分野に資産を分配するか(アセット・アロケーション 資産配分)の方が比較にならないほど重要。

<現金><株><債権><不動産>

・株については、インデックスファンドでOK。銘柄選びはプロでも失敗する。手数料の分だけ損。

・やっぱり長期投資ッス。手数料のこともあるし、利益を現金化しなければ税金も払わなくて良い。


◆投資に対する人間の心理について
・合理的に考える。
→ギャンブル、宝くじはやるだけ損。胴元の取り分が最初から決まっているから。
→宝くじは最高のシステム(胴元にとって)。

・未来は誰にも予測できない。例え、ノーベル賞科学者であっても。(Long Term Capital Managementの失敗)

・資本主義は極めて平等なシステム。需給に応じて柔軟に分配が変化する。

・プロの運用成績は平均するとサル以下。
→究極的には市場の平均値に近づくので、高額な手数料の分だけ運用成績が下がる。

・但し、プロ投資家は無能ではなく、むしろ有能だからこそ株式市場の「効率性」が維持される。出し抜けは瞬時に奪われる世界。

・人間が超合理的な思考に基づいて行動すれば、株式市場は成り立たなくなる。しかし、人間には強烈な「自信過剰」バイアスが必ず働くので、そうした人達の「非合理的な」行動からこぼれ落ちる利潤を、残りの冷静な人達が奪い合う。

・理想的な金融商品は、インデックスファンド。しかしこれも、「自信過剰」バイアスの人が必ずいる事が前提の話(いない、なんてことはありえないけどね)。

HSBC インターネットバンキング

 HSBCで口座を開くと、インターネット経由でいろいろとサービスを受けられるようになります。ただし、これを行うためには申し込みを行わなくてはなりません。といっても、WEBサイト経由で登録申し込みを行うだけです。

 数日経つと、このような物が送られてきます。



 この小さなブツが、HSBCの口座にオンラインでアクセスするためのキーになります。ボタンを押すと液晶画面に数字が表示されまして、この数字と、自分の設定したID、そしてパスワード、これら3つを入力する事により、オンライン口座にアクセスできるようになります。たしかイーバンク銀行も同じようなシステムですね。

 この番号、連続してボタンを押すと同じ番号が表示されるけど、間をおいて押すと全然違う番号になる。おそらく、番号の生成時には現時刻情報も組み込まれているんでしょう。となると、システム側とこのデバイスで、時刻同期が取られている、ということになるんでしょうけど、リアルタイムに同期を取れるわけ無いから、たぶん生産時か出荷時に一度きりのシンクロを行うんでしょうね。どうでもいい話ですが。

Nobu

2009年7月10日金曜日

香港iPhone3GS発売! そして購入!

 本日満を持して香港でiPhone3GSが発売となりました。前情報として、10日前後発売となるらしいみたいな事は聞いていたのですが、なにせ昨日まで正式なアナウンスが全くなかったために、本当に発売されるのかよ、という不安はあったのですが、無事発売の運びとなった模様です。

 で、早速購入しました。早ッ!

 現在私は日本にいるのですが、今回はなんと、日本に居ながらにしてApple香港のオンラインショップで購入する事ができました。意外なほど簡単に購入できてしまったので、ちょっとその経過を書いてみます。


◆必要な物

・クレジットカード(日本で発行された物でOK)
・商品を届けられる香港の住所


 順に説明します。クレジットカードは日本で作った物でも大丈夫。私はVISAを使いました。香港の住所ですが、これがちょっとしたハードルですね。知り合いがいれば問題無いのですが、そのあてがないときは困るかも。どうしても、という方は私にご相談下さい。

 あとは、まあ、基本的に英語か広東語なので、どちらかが適当に理解できる必要があります。英語が無難かな・・・。



 ちなみに、現在のところ本体だけを購入できるのは、Apple香港のオンラインショップに限られるようです。旧モデルは街中のAuthorized Shopなどで購入ができるのですが、3GSについてはまだみたいです。

 情報はこちらより。<電脳中心買物隊>

 うーん、旅行者がいきなり行って本体だけ買ってくる、とうのはちょっとまだできないようですね。続報を期待したいです(もう買ったからいいんだけどね)。

Nobu

2009年7月9日木曜日

「全脳思考」 神田昌典・著 途中経過報告

 80%程度読んだけど、スゲェ面白い!

 自分としてとても運が良かったなと思ったのが、最高のタイミングでこの本に出会えたこと。そのタイミングとは、

1.先週末に生まれて初めてビジネスプレゼンを行ったこと。
2.ブラック・スワンを同時並行で読んでいたこと。

 読み進めるうちに、これらの経験、知識、自分で頭を悩ませたことなどが、渾然一体となって、なにかものすごい化学反応を頭の中で起こしているような、そんな気分になっています。

 今までの神田本とは毛色が異なるとして、各方面で賛否両論が白熱しているようですが、毎月彼のオーディオセミナーを購読している私としては、昨年後半から最近までの、より人間の内面に向かって本質の探究を進めてきた彼のスタンスとして、極めて自然にこの著書が出てきたと理解しています。しかもエッセンスの一部は、すでにマインドマップやフォトリーディングでも取り上げられている通り、すでに神田メソッドの一部としては利用されてきているように感じました。

 先述の、私がプレゼンを行ったと言うことについてですが、これを準備するに辺り様々なことを考えては破棄してきました。最終的に成果物として作り上げたスライドは、幸いにも参加者の方に好評だったようで一安心だったのですが、これを作るのに私が特に留意してきたのは、まずどういった結果を伝えたかったのか、ということ。最終的に私が言いたいことを設定し、それに合わせて資料や解説をはめ込んでいく、という作業を行いました。これが図らずして、全脳思考モデルで示すところの、「ストーリーの法則」と合致していたことに、とても驚きました。

 私は趣味で音楽をやってきたこともあり、舞台演出なども手がけて来ています。これら全てを通じて常に意識していたのが、お客様にどういった気持ちになってもらいたいか、ということ。いつもここから話をスタートさせて、最終的にダンスの振付や選曲などに落とし込んで行くわけですが、これも良く考えたらストーリーですよね。どうりでしっくりとハマったわけだ。

 「ブラック・スワン」についてですが、こちらはまだ上巻の途中までしか読んでいませんけど、その中でも特に印象的だったのが、黒い白鳥を捕まえるために心がけておくこと、というくだり。実体験や学習から来る経験知を積み重ね、着実に未来を予測しながら進めていく、というやりかたは、これまで最高の方法でありこれこそが人類の英知だ、と信じられていたのだけれども、それじゃあ「ありえない」ものだった黒い白鳥を見つけることはできません。事実、ノーベル賞経済学者が経営するファンドがツブれてしまったことを見ても、これまでの知の積み重ねでは成功は難しいのではないか、ということです。

 ではどうしたらよいかというと、物事は全て計算ずくで成功するとは限らない、「ありえない」はずの黒い白鳥を捕まえるための心の準備をしておき、常にトライ&エラーを恐れるな、ということなんですね。全脳思考モデルにおいても、全てが計算ずくでリニアに成長することは逆に危険であり、途中で失敗や足踏みが有っても、それも全体の一部としてとらえることを、予め覚悟しておけ、とあります。不確定な要素をも自己の目標達成の一部として内包することを覚悟せよ、というあたりが、ブラック・スワン的だなぁと思いました。

 そう言えば、先のセミナーでは「複数の平行読書がおすすめ」みたいなことを聞きましたが、その効能がこうして体験できました。ありがたやー。

Nobu








追伸:
 神田氏が本書内で、「東京マラソン」に関することについて、「水道の蛇口をひねるように情報にアクセスする」とありましたが、いままさに私が上のAmazonのリンクを作る際、Amazonのサイトに飛び、書名を打ち込む+αの数ステップだけでできちゃいました。「物語にスムーズに入れる導線」というのがここにもあった。

DHL 即・送り返し

 昨日、中国の取引先よりメールがありまして、それによると、

「今日、間違えてDHLの荷物をそっちに送っちゃったから、届いたらすぐに送り返して頂戴。」

だそうで。たまーにあるんですよね、こういう間違い。DHLやEMSの送り状書類って5〜6枚の複写になっていまして、頻繁に送る先の送り状は、タイプライターなどでタイプした物を予めストックしておくんですね。もちろん、内容物の部分は空欄にしておくのですけど。この取引先も、おそらくウチを含めたいくつかのお客様向け用の送り状が作ってあって、今回のケースでは、それを間違えて使っちゃった、ということなんでしょう。DHLなんかを利用する場合っていうのは、往々にして「ものすごく」急いでいるケースが多く、うっかりミスをしちゃうなんてこともあったりします。

 私も香港にいた頃は、よくDHLやFedExのサービスセンターに荷物を持って走りました。こちらでは夜の11時まで受付をしてくれて、しかも翌日には日本のお客様のところに届けられるという、佐川急便もビックリのサービスを展開しています。24時間運用可能の空港がある、小さな国(?)の香港ならではですね。

 閑話休題。

 で、今日の昼休みにその荷物がウチに届きました。一旦荷物を引き取り、その後にDHLに「送り主に荷物を送り返したい」ということを告げると、なんと、

 「じゃあ、そのままDHLのドライバーに渡して下さい。」

だそうで。え? 送り状も何も作らなくていいの?

 いいんだそうです。運賃も送り主に請求が行くそうです。これは知っていると便利ですねぇ。

 というわけで、めったにないけど、知っているとちょっとだけ便利なDHLの使い方、のお話でした。



◆オマケ

 EMS(外国向けのゆうパックみたいな物。日本では郵便局で取り扱い。)の荷物追跡をする際、WEBサイトや電話対応なんかでは、なかなか追跡情報が更新されない場合が有ります。特に急いでいるときなんかは、心配になったりイライラしたりと、困っちゃいますよね。

 そこでちょっとしたTIPSなんですが、送り先の国のEMSのWEBサイトをチェックすると、より新しい追跡情報が更新されているときがあります。国によってEMSを取り扱う業者が異なるので、それさえチェックできれば、日本郵便WEBサイトからチェックするよりも、新しい情報が手に入るかもしれません。

 こちらも、あまり利用機会が無いと思われる豆知識でした。

Nobu

2009年7月8日水曜日

iPhone x Nokia N82 x Plantronics Discovery 925



 Plantronics Discovery 925のマルチポイント接続、再挑戦です。今回はNokia N82とiPhone3G(Sじゃないよ!)とのダブル待ち受けに挑戦です。要は上記のアニメーションのようなことをやりたいわけでして、2台の電話それぞれにかかってきた着信を、1つのヘッドセットで受け答えしちゃおう、というのが目標です。

 香港にいると、MTR内や商店街に入ったりすると、やかましくて電話の着信が聞こえないことが往々にしてあるんです。かといって、バイブレーター頼みでポケットに入れておくのもスマートじゃないし。しかも私の場合ですと、現地での通話用と日本からの着信用の2台の電話を常に持ち歩く必要がありまして、常に電話の持ち運びには頭を悩ませておりました。ちなみに以前は、香港、中国、日本、香港用iPhoneと、なんと4台も持ち運んでいたんです。アホですね。今は香港&中国の通話が、1枚のSIMカードで事足りているので、非常に助かっています。

 そんなことを考えていましたら、一部のBluetoothヘッドセットでは、1台で2台の携帯電話を着信できる、というものもあるらしいという情報を聞きつけまして、こりゃあ願ってもないことだわい、とばかりにチャレンジしてみたのが前回のトライだったわけでして、でもそのときは見事に玉砕しております。このときは2台のiPhoneでのペアリングを試みました。

 で、今回はiPhoneとN82の2台(たまたま手元にあった)での挑戦です。まずは前回通りそれぞれペアリングしてみますと・・・。



 アカン、どうしても2台目が925を認識しない。くそー、なんでだァー?

 先達広場で異様に安いものに手を出したのがいけなかったのかしら? そういえば、以前同じく先達広場で買ったMophie Juice Packも、買ってすぐに使えなくなっちゃったんだよなぁ・・・。これもそうなのかしら・・・。


 と、思っていたら、どうやら925をマルチポイント接続ができるよう、スイッチを入れなければダメらしい。マルチポイント接続がONになっていると電池の減りが早くなってしまうので、通常はOFFにしてあるんだそうです。なぁんだ、そんなことだったのか・・・ って、説明書を良く読んだらそうやって書いてありました。このうっかり者!

リンク:私を失意のそこからすくい上げてくれた記事
リンク:925のマニュアルはこちらからダウンロード(製品名検索にに925と入れます)

 で、結局、めでたくiPhoneとN82の両方で着信通話ができるようになりました。よかったぁー。次回の香港行きに間に合って良かったです。それにしても、携帯電話をいじるのって本当に楽しいね! みなさんも、是非!

Nobu

App Store に触れ考えた

 App Storeというのは、Appleの運営する iPhone / iPod Touch 専用の、オンライン・アプリケーション・ストアです。iPhone / iPod Touch を持っていれば必ず使用する、iTunesというソフトウエアに直結していまして、iTunes上からも、そして直接 iPhone / iPod Touch からも、お好みの専用アプリケーションがダウンロードできる仕組みになっています。

 アプリケーションの大半はゲームで、その他にも便利系ツールが無数に揃っており、これらをダウンロードして楽しんだり活用したりするのが、iPhone / iPod Touch の主な利用法の一つとなっています。

 アプリケーションは無料/有料の物があり、もちろん無料の方が人気があるわけですが、有料アプリもなかなか売れているようでして、これのおかげで一夜にして大金を得た、というアプリ開発者の話も時々耳にします。この有料アプリ、大抵は100〜300円程度のもので、辞書アプリの中には4,000円程度する物もありますし、中には数百万というトンデモナイものもあります(ただしこれはジョークアプリ)。私は結構積極的にこの有料アプリを購入しており、中には結局使わなかったものもありますが、総じてとても便利に使えています。これらを使っていて「へぇ」と思ったことを書いてみたいと思います。


◆無料アプリ -> 有料アプリ

 意外とコレのパターンが多いです。ゲームでしたら、最初の数ステージは無料で提供しておき、そこから先を楽しみたい場合は有料版を買ってね、というもの。確かに、面白いかどうかもわからないゲームに、イキナリ料金を支払うのもちょっと抵抗があります。App Store ではそれこそものすごい量のゲームがありますので、レビューや紹介記事が必ずしもそれら全てをカバーしているとは限らないんですね。だから、お試しで遊べるというのはとてもナイスな仕組みです。私もこのパターンで何本もゲームを購入しました。

 ゲームに限らず、無料版を提供しているケースもあります。

 駅探エキスプレスというアプリなんかがまさにそれで、当初はこれが無料で提供されていました。iPhoneならではの直感的なインターフェースと使いやすさで一気に話題になり、「なんでこれが無料なの?」と思わせるような完成度の高さに唸ったものです。私もすぐにダウンロードし、出張の際には大いに活用してきました。

 ところがある日、メーカはこれの有料版のアナウンスを出します。駅情報のアップデートなど、利用するために欠かせない機能が、有料版でなければ利用できなくなる、という内容でした。App Store の評価欄などを見る限り、これを境に他の無料ソフトへ乗り換えた人も大勢いたようでしたが、私はこの使用感が忘れられず、有料版を購入して現在に至ります。私の他にもこうして有料版を購入した方も多いのではないでしょうか。

 なるほど、最初から「これホントに無料?」レベルの製品をリリースしておき、それが手放せなくなったと感じるユーザが出てきた頃に、有料版に切り替える、というのは、コンピュータソフトウエアの世界では良くあるやり方です。PCを購入したときに付いてくるウィルス駆除ソフトみたいなものでしょうか。ポイントとしては、最初からフル機能を惜しみなく提供する、というところでしょうね。


◆ゲームがすごい

 とにかくゲームの数が半端じゃない。しかもそれが日夜どんどんと増え続けている。もちろん、玉石混淆ではありますが、絶対数が多いので良作もどんどんと生まれてくるというわけです。

 NintendoDSとかと異なり、携帯電話なので常時持ち歩いているため、いつでも思い立ったときにプレイできるのが魅力です。しかも大抵のゲームはレジューム(中断)機能がついていて、いつでも中断/再開ができるのが便利。

 ケータイでもオモシロゲームはたくさんありますが、質、量、共にApp Store のゲームの方が圧倒的でしょう。タッチスクリーンインターフェースを存分に活用した操作感は、一度ハマったらやめられません。

 そして安い。たいてい115円程度なので、気軽に遊べちゃいます。しかも価格の付け方が自由にできるため、ちょっと売上が落ちたら値段を下げる、ということが、開発者(販売者)の意志で簡単にできます。日本の硬直した販売ネットワークをまるで尻目に見るような身軽さです。これぞウェブ時代の流通ですね。

 例えばこのゲームなどは、最初1200円で販売されていて、900円、700円、そして現在は230円(私はここで買った)となっています。既に次作が発売されたために、大幅な値下げとなったのでしょうが、ここまで安くなれば買ってもいいか、というユーザも多いはず。この柔軟な価格設定こそ、App Storeの大きなメリットでもあります。


◆オススメのアプリは?

 これはもういろいろな情報に触れるしかありません。何せ数が多い物ですから、探すのにも一苦労です。iTunes上のApp Storeにもレビューが数多くありますが、今ひとつ参考にし辛いのも事実。

 現段階でオススメアプリの賢い探し方は、レビューブログを参考にすることだと考えています。熱心にアプリをチェックしているブログオーナーの方がいまして、ありがたいことに画像や動画まで用意してアプリの紹介をしてくれています。これらをマメにチェックするのが、ナイスアプリに出会う近道でしょう。以下に、私が毎日チェックしているブログをご紹介します。

iPhone・iPod touch ラボ
AppBank

 特に、Appbankでは先日、「アプリの殿堂」が発表され、これまでに発表されてきたアプリの中でも、特に秀逸だと思われる物がピックアップされて紹介されています。こちらは全 iPhone / iPod Touch ユーザは必見ですよ!

Nobu

2009年7月7日火曜日

EVAを観て日本の物作りに思いを馳せてみた

 「EVAを観た」と言っても、金曜ロードショーで放映された新劇場版・序ですが。いやぁー、それにしてもスゴいね。まさしく、日本を代表するアニメーション作品の一つだと言えましょう。こりゃ亜、もう、「破」を見に行くしかないね。

 ところで、この作品を見て日本人の物作りについて考えてみました。

 EVAの魅力は、芸術的なまでに完成度を高めた映像美と、過剰なまでに作り込まれた世界観、とでもいいましょうか。どこを切っても、制作者の執念が伝わってくるような密度の濃さは、まさに日本が誇るアニメ産業の象徴とも言えましょう。まさに、「匠」のなせる技です。

 この「匠」システムって、日本の物作りの特徴のような気がします。個人的な技能は凄く高いのだけれども、それを組織として活用することにあまり得意でない、みたいな。よく、日本人は戦闘には長けているが、戦術、戦略のレベルになると全く使い物にならない、という話がありますよね。日本の誇る技術集団のSONYは、独創的で高付加価値の商品をいくつも世に送り出してきましたが、現在は世界的に低迷を続けています。かのトヨタですら、日本国内で展開するレクサスブランドは未だにブレイクしていない状態です。すごく良い物を作るのに、それを文化にまで昇華させる企業というのは、ここ最近ではニンテンドーくらいしか思いつきません(私が知らないだけかも)。

 米国の企業となるとこれが様子が異なるようで、昨日聞いたポッドキャストの話題では、米国は一度使えそうな技術が手にはいると、それを共通化して誰でも使えるようにするのが得意だとのこと。で、それらをマネージメントするのがエラいんだ、みたいな風土があるようです。日本だと徹底的に囲い込んで、自社の独自仕様にまで落とし込む、というやりかたが一般的だったみたいですね。私が度々取り上げるiPhoneでも、技術的には既存の物を寄せ集めたものですが、それをプロデュースするやりかたが上手だったんでしょうね。日本のケータイは技術的にはすごいんですけど、それ以上に広がる「世界」がありません。

 ちなみに、そのポッドキャストでも言っていましたが、こうした「匠」しすてむは、日本の他にもドイツやイタリアにもあるそうです。なるほど、かつて日本はドイツから政治のシステムや物作りを学んできた経緯がありましたが、こういったところにも共通点があったんですね。しかも、これら3国は先の世界大戦の同盟国同士。偶然とは思えません。

 しかも、ですよ。今日本では「イタリア化」していると指摘する向きもあるみたいで、これはどういうことかと言うと、つまり、政治的にダメダメになってきているよね、という事なんですって。イタリアは、ヨーロッパの中でも政治的に落第生と言われ続けておりまして、それというのも、政治の権力にいる人達が、揃いも揃って「ファミリー」なんだそうです。つまり、いろいろと結びつきの強い人達、ってことね。なので、自分たちに都合の悪いことはことごとく排除してきたんだそうです。どこかの島国と良く似ておりますなー。

 話は変わりますが、「ポニョ」を観たときにも、日本独特の価値観のような物を感じました。宮崎氏の発想は突き抜けている。しかし、彼がいなくなってしまったらスタジオジブリは立ちゆかなくなるのではないか。彼の作品は、「戦闘」だけで一大ブランドを作り上げてしまった、極めて希な例の一つなんじゃないでしょうか。

Nobu